山本裕之のひとりごと2008.2.17 ★2008.2.17  waltzing matilda with me 

  おばんでやんす。
  ご存知の通り、僕は人付き合いがウマい方ではない。さんざんこのページでコミュニケーションの大事さを確認し提唱してきたにもかかわらずである。 それなりに努力はしている、つもりだけど.......
  ありきたり の世間話ができないのでパーティとかイベントは苦手だし何たら協会とか所属する気もないのでセミナーも勉強会もたまに顔出すだけだしウィスキーや バーの専 門誌もあまりバーの本質的でないので滅多に開かないし、正直、同業の方とお話してても楽しくない場合も多い、まぁそんなこんなで、あまりないタイ プとか愛 想がないとか言われる(ホントよく言われる)バーを、毎日徒然に開けてるのであります(刹那すぎるのは承知だが.....)。
  よく続いてるね、と言われるがひとえに皆様のおかげでございます。......有り難いコトに11月の周年の週も、何のイベントもしなかったのに 今 までにないくら いたくさんの方々に祝っていただいた。多少コンセプトと矛盾してるかも知れないが、周年を祝ってくれる酒呑みが 集まってもらえるバーは幸せだ。とりわけ、S氏からの ipod のプレゼントはホント嬉しかった(おかげで今ポッドキャスティング三昧です)。粗品もすぐ底をつき相変わらず愛想なく してしまい申し訳ありませんでした。ジョウレン意識は今後も持たないつもりですが、アウトロー的一期一会で精進いたしますのでこれからもたくさん 酒呑んで ね。
 
  さて本題。
  最近弊店に来られる若いヒトが増えてきた。いいコトだ。
ただ、バーに慣れてないってコトでいろいろ質疑あるらしい。このページの支持者も多いみたいなので今回はそ んな入門的な質問に、ひと昔前のラジオの深夜番組みたいに、あくまで僕の主観で前向きに軽くお応えしようと思う。
 
 では、バーに関するよくある質問をいくつか...........


ーバーってどういうトコですか?

ーうーん、深すぎる!とりあえず解るまで通いなさい。



ー何呑んだらいいんですか?みんないつも何呑んでるの?

ー知らんがな.......としか言いようないが、僕の場合、まずその日の気分で店を選ぶ。そうすると必然的に呑むものも決まってくる、どんな店 にも得手 不得手あるからだ。服を着替えるようなカンジでその日その日のアナタのライフスタイルを彩ればいい。あとは解らなければバーテンダーに何でも尋ね ればい い。その為 に彼らは存在する。



ーもっとお酒を覚えたいんですが......

ー呑むしかない。ただ、無闇矢鱈と呑んでも仕方ないので、まずお酒の種類(カテゴリー)くらいは本でも読んで軽く予備知識を蓄えておくと興味がで てきてい い でしょう。
  それから、一本だけ標準木となるお酒を選ぶ、何でもいいが無難な味のモノがいい。そしてそれを味を覚えるまで毎回何日も何杯も呑み続ける、 味を覚えると他のお酒と比べる基準値ができる。あとは呑み続けるしかない。そもそも呑み始めは酒なんて誰もウマいと思って呑んでない、カクテルは 酒っぽく な く創られてるから別にして ウィスキーやスピリッツなんかは馴れるまではウェッってカンジだろう。それでも馴れてくるとその世界のウマさに魅了されていく。基準値を知る、自 分を知る のは、オトナのある種の素敵な作業なのだろう。
  その作業を各カテゴリーごと(バーボン、スコッチ、ワイン、日本酒、ジンなどなどと)に挑戦するとアッと言う間に ヴァリエーションが広がり、この方法だとそんなに時間もお金もかけずお酒が楽しくなるハズ。最終的には自分の好みを知って好きな酒をいろんなやり 方で美味 しく呑んで欲しい。バーテンダーとよく相談して挑戦してみよう。もっと食生活が豊かになるよ。


ー怖くてバーに入れません。

ー一番いいのは知ってる誰かに連れて行ってもらうコトですね。
  たいていは情報があるから正直僕も全くの飛び込みでバーの扉を開くコトはほとんどないのだが、フィーリングでカンジる店には勇気を出して入るコト にしてい る (なかなかないけどね)。
  バーのいいとこは一杯だけ呑んで帰ってもイヤな顔されないところだろう。合わなければすぐ出ればいい。ビール一杯なら高くても 1500円(カバーチャージ込み)もしないんだから、5000円もあれば3.4件は新しいバーに出会える、そん中から是非 "行きつけ" を見つけて通いつめてみてください、きっとアナタの人生にとって何か見つかるよ。
  あと、個人的に言わせてもらえば、ネットの情報を鵜呑みにしないで自分の目で舌でカンジて欲しいな。


ー何度行ってもバーの楽しさがわからないんですけどぉ.......

ーそんなヤツぁ来なくて結構、なんて言いたいけど、確かに同じ店でも楽しい日もあれば退屈な日もある、弊店も多分に漏れずである。結局のところア ナタ次第 だと思う。楽しみって求めるだけじゃダメなもんで..........
周りのコトは気にせず、ヒトの話ばかりしてないで自分をだしなさい。
 少なくともいいバーには活きた情報があるしいろんなドラマがあるしいい酒がある、いいバーテ ンダーもいる、生かすも殺すもアナタ次第、違いますかな。


ー出会いってありますか?

ーバーが出会いの場所であるコトは間違いない。ただ、男女間の出会いという色恋の話であればいくつか注意点というかマナーが必要だし店側からもそ の辺りお 願いしたい。近年すぐエッチなコトに結びつけちゃうヒトが多い、カッコ悪い、だってね、電車でとなりのヒトに今夜セックスしましょ、なんて言わな いでしょ う、酔ってるからといって理性を失うのはいただけない話ですな、そ んなコトしたいならそんな店に行きなさい、バーはその手の出会いを提供する場ではない。それにワンナイトスタンド的なモノを求めると酷い目に合い ますよ。 ホント。
  勿論、弊店で出逢って結ばれた方もいらっしゃれば、ヤバいヒトに声かけてこの街から消えたヒトもいる、ウマが合って意気投合してビジネスで成功し たヒトた ちも、人生 を変えた出会いもビックリするくらいたくさんありますよ。
  モノには順序があって礼儀があってルールがある。
悪いコト言わないから、ガッつかないで、まずゆっくりバーテンダーと共にコミュニケーションを楽しみましょうや、そのうちいいコトもあるって。
みんなオトナなんだからさ!


ーいいバーの選び方教えてください。

ーいいバーってのは主観のモンだから僕からはお答えできない。それぞれで好みが違うもんねぇ.......

  うーん、よく考えると僕もいろんな選び方してるね、くだらない細かい事もたくさんあるな、ちょっと参考までに今思いつくままに例を挙げてみよう、 勿論一概 ではないし僕の主観 ですのであしからず。
 
  まず店を計る最初は、経験的フィーリングと表玄関の雰囲気とか佇まいかな。で、中に入ったら酒の味の相性は勿論、バーテンダーの所作、技術、会話 の クオ リティはポイントだね、僕はあたりさわりない何の情報もないバーテンダーとしゃべりすぎるバーテンダーは嫌いだ。
  お酒とかグラスとか小物のチョイスの感覚も大事かな。
  お酒といえば、僕はまずワインも含めて何百本もボトルの並んでるマニア的店を信用していない、経験から して管理が行き届いてるか疑問だからだ。一日その店で何本のボトルが空くか考えたら何百本あるの は異常でしょう、何年そこにあるの?ってカンジ。何年も前に開けたもん普通呑みます?風味が落ちないワケないじゃん、劣化してる口に入れるモンを 稀少品と して普通売ります?   それは酒に対する勘違いのコレクター的愛情だ、すな わちお客に 対する愛情の不足だとも思う。飲食店ですよ、バーも。
  近頃、グルメ通な方々は、ワインやウィスキーなんかの酒をちょっと神聖化しすぎる。
輸入業者も店もそういう顧客心理を利用して商売し過ぎで正直気分ワルいね。それと やたらオリジナルカクテルの多い店も押しつけがましくて同様にビジネス的でツラい、歴史のあるスタンダードなモノが普通にウマい店がいい。創作な んてそん じょそこいらのヤツ にはできねぇっての。料理でもそうでしょう、凝ったもんよりウマい肉じゃがでいい。
  それから僕は、食べ物が多いバーもカフェ使いされてるバーも苦手だ、となりでパスタをズルズルとか、コーヒーってのも...... ねぇ.......
 紙 の 使い回しのコースターも不衛生で嫌い だ、トイレが汚いのもイヤだな、掃除は大事。あとは、いいエアコンディションも換気具合も内装のデザインとか照明とかも音楽だって大事だ ね。...............あぁ、あるある、いっぱ いある。
  まだまだいっぱいチェック項目はあるし考えだすとキリがない。
  で、最後に、重要なポイントは、客層だ。
  大人数を入れる店はビジネスなカンジがしすぎてバーとし ては僕は好かないが、気分によっては稀に少々騒がしいのがいい時もあるし、人 数の問題だけでなく、やはり自分も含めての "ヒト" の "品格" が必要なのだろう。やっぱり "品格" なんだよね、品ないオトナ多いモンなぁ.....最近。なんだかんだ言って、善くも悪くも "ヒト" なんだよね、結局。
  ..........ってコトは自分にとっていいバーと出会うことはなかなか難しいってコト。
必ずしも "行きつけ" がいいバーとも限らない。なんとなく行ってる店もある、利便性もあるし なぁ........でも経験上、好きなバーには必ずいくつか出会えるし是非皆さんもいろいろ選んでみてくださいな。
  好きな店に自分の思いを提案するのもいいか もね。いいバー はアナタが創るのです。
  そのバーこそが、アナタのライフスタイルの象徴です。
  "行きつけ" の店を観るとそのヒトが解るってモンですぜ、旦那、カッコいいオトナはカッコいいバーに行ってんだぁよ。

   では、長くなってきたので最後にします。



ーアウトローのバーテンダーが超ムカつくんですけど......

ーよく言われます。
イヤなら行かなきゃいい。酒場なんてそんなもんなのさ。



  若いヒトの酒場離れがすすむ中、バーに興味を持ってくれるのは非常に嬉しい。アウトローもこんなエラそうなコト言ったってまだまだ未熟だしまだま だ進化し ていきたい。ですので、みなさんの思いをもっともっと伝え て 戴きたい。(ご希望にそえない場合も多々ございますが.......ははは)


  さて、マチルダと一緒にアウトローな旅にでよう!..............................その道中の陽気なことー!


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